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azucho's diary

読書メモや、育児記録、ワークライフバランスについてのあれこれなどを書いています。だだもれ系です。

【読書メモ】迷走する両立支援 ~その7:第七章:子どもをもち、働くということ

こんにちは、おひさしぶりです。

育休あけ前の最後のチャンスだ、と妹達の家や旧友などを訪ねて歩いて参りました。復帰したら、まず機会も余裕もないだろうし。。はふー。

 

そして帰宅、保育園の内定通知が!
とりあえず、ようやく決まって一安心です。
これで本格的に、仕事復帰への動きになっていきますね。。こわーいよぅ。。
これから始まる両立ドタバタ生活を見据えつつ、残り少ない休みの日々も、何とか満喫したいです。

 

そしてそして、この本も、とうとう最終章!

 

『迷走する両立支援 いま、子どもをもって働くということ』

原久美子著、太郎次郎社エディタス、2006/7/20初版

 

<第7章 子どもをもち、働くということ --沈黙と格差を超えて>

 

第7章の冒頭、”「迷惑をかけない」ワーキングマザーとして” という細目から始まります。しょっぱなからイヤな予感はしてたんですよね~。。

育児休業復職予定者を対象にした、復職支援セミナーを受けたという方の事例が紹介されています。

時間に追われる生活の乗りきり方や保育所のこと、仕事のペース配分など、育児休業から復職した先輩や同僚が体験を語り、情報交換をする、というもの。

もちろんとても参考になることばかりだと思うのですが、(実際、私も、いまいま不安に思っていることばかりです)

育児休業取得経験があり、職場では数少ない女性管理職からの話として、心構えを次のように語られたと言います。

 

  • P246, 「両立でたいへんだ、その気持ちはわかりますが、たいへん、たいへんと職場でふれまわる職員は困ります。あくまでも一職員として能力を発揮してもらいたい。職場はそうみています」

はい、そうですよね、わかります、でも。。 

  • P247, 育児休業後から始まる両立の生活にむけ、保育所の準備、残業時の保育といった協力態勢の準備もしてきた。かかりつけの医師を見つけ、子どもの健康管理にも目配りしてきた。そうやって手を打っても、これからさき、なにがあるかはわからない。さまざまなことがあるだろう。時間に追われる生活に、自分自身が疲れきってしまうかもしれない。そのとき、どうすればいいのか。職場になんと相談すればいいのか。職場にはどんな用意があるのか。復職まえの不安はそこにある。

まさに!そうだよ、その不安なんですよ。。

 

  • P247, なのに、なぜ、体験者がわざわざ先まわりして、復職者に対して口封じするようなことを言うのだろう。

!!!!!ほんとその通りだよ!!!!!

  

  • P247, 彼女が意図しないにしろ、その言葉にこめられたのは「まずは黙って一人前の仕事をせよ」というメッセージに聞こえた。

 

  • P248, 体験者が「私もしんどかったけれど、グチも言わず、がんばってきたのよ」と言えば、その人の体験が全員にあてはまるわけでもないのに、そのアドバイスはひとり歩きする。

 

  • P248, 体験者と情報交換をして、復職にそなえる機会をもつのはいいアイデアだと思ったが、これではワーキングマザーのための両立支援というよりも、職場のために「迷惑をかけないワーキングマザー」の心構えを問われただけのことではないか。

 

  • P248, セミナーに参加して◯◯さんが得たのは、「職場で子どものことを自分からは、絶対に話さないでおこう」ということだけだった。

!!! はー、そうなるよね。。

なんだかブルーになりまくりです。

 

そしてお次はこちら。

  • P251, 出産まえには、IT技術や語学力などをいかして働いていた女性たちだった。職場復帰したら海外出張からはずされたまま、何年たっても、上司からは「子どもがいるから働けない」と厄介者あつかいをされる。

ふえー! なんか場面が浮かびすぎて、おそろしすぎる。。あーぁ。。

 

  • P251, 地道に仕事をしようが、無理をして残業をひきうけようが、からまわりするだけの職場との両立に疲れ、彼女たちの同僚にはやめた人もいる。

 

両立支援が進み、新聞や雑誌で紹介されるような成功体験も増えていき、働く母親への何らかの激励やヒントにはなるかもしれない、だが、すべての体験や事情は同じではない。

なのに両立についてのアンケート調査は毎度毎度かわらない、とも書かれています。

  • P252, 両立に関して不満の多い回答結果から、多くの調査はその要因として、「男は仕事、女は家事・育児という性別役割り分業意識」や「仕事優先の職場風土」を指摘する。そして、処方箋は「利用しやすい制度」や「意識を変えること」に落ち着く。制度が一定の拘束性をもって効果をあげることは期待できるし、意識啓発にも一定の効果はあるだろう。でも、回答者が「両立しにくい職場」と感じていることが、なぜか一足飛びに「意識」や「風土」に着地してしまい、そのあいだでなにがおきているのかがいっこうに見えてこない

 

  • P253, 企業も労働組合もおこたっているのは、「男は仕事、女は家事・育児という性別役割分業意識」や「仕事優先の職場風土」をうみだす仕組みに目をむけることだ。

意識や風土って、形のないものだからとても難しいと感じるのですが、でも、確かにありますよね。

そして意識や風土って、影響もデカイ。

 

  • P253, そもそも、その意識や風土は、職場のなにが、だれが、どんなふうにつくりだしているものなのか。それは職場や仕事でどのように表れ、一人ひとりになにをもたらしているのか。彼女たちはそれをどういう体験として感じているのか。そんな、根本で、働く人のあいだに不当な格差や不平等をうみだす仕組みに目をむけることだ。

うーん。。ほんと難しいなぁ。。

 

そして次の細目は、”男性の育児休業取得への期待と女性の憂鬱” です。

  • P254, 日本の男性の子育て時間の短さ、家庭における父親不在の状況のなかで、育児の責任が母親の肩に重くのしかかっている現状がある。育児休業の取得が女性に偏っているため、育児休業取得につきまとうキャリアロス、所得ロス、業務知識ロスの影響が女性に集中する。

 

  • P258, 男性は短期、女性は長期。このままでは、男性はキャリアや所得、業務上のダメージをさほどうけずに、短期間の取得で「子育て熱心なお父さん」として賞賛を浴び、女性は「子育てに協力的で、理解のある夫」をもつ妻といわれながら、残りの取得期間をひきうけ、キャリアや所得、業務上のダメージをかぶることになる。 

 

うーむ。 ただし現状、育児休業が短期間になってしまう男性はかわいそうとも思います。男性がちやほやされがちな現象(現時点での現象)は、女性の育児休業取得に関しても、最初は同様だったのではないか。あくまでまだ初期だから、では?

当たり前のように(以前に比べると)、女性が育児休業を取得するようになったのと同様に、男性も、当たり前のように育児休業を取得する、そんな時代は遠くないと私は考えているのです、願望も込みで。

 

結局、男性だからとか女性だからとか、そういうのにとらわれたくないよ、ほんと。。

 

  • P272, 男女や年齢にかかわらず、働く人はみな介護や育児などの責任を抱え、また、抱える可能性があるという前提にたった働き方を原則とする発想がみえてこない。

ですよねですよね。育児に限らない、いろんな事情が出てくる、いろんな人がいる。多様な働き方ができてこそ、真のワーク・ライフ・バランス(またはワーク・ライフ・インテグレーション)なのでは?

 

  • P275, 育児休業という「休業」を資格取得やスキルアップの時期と位置づける傾向も強くなっている。「休業中であっても、仕事への前向きな姿勢ややる気を忘れない。女性が働きつづけるには、一方で、こうした姿勢も求められる」と語るのを聞くと、休日でも在宅で仕事をこなし、夜遅くまで残業する働き方を「やる気」として評価する発想とどう違うのかと思ってしまう。

なんだそりゃ! 「やる気」至上主義とか、ほんまイヤ! うぉー!!

 

  • P275, さっきの!ほんまイヤ!

メモにも二度、書いています。相当イヤだったらしい。。 

 

順序は逆になりますが、他にも下記の数々の気になる記載がありました。

 

  • P264, 両立支援へのアクセス格差。正社員として働く母親の減少と、非正規雇用で働く母親の増加。その流れを少子化対策の両立支援の側面からとらえたとき、「いったい、だれに産んでほしいのか」という皮肉な疑問すらもたざるをえない。

雇用状況がこれほど劇的に変わるとは、だれも予測できなかったのかも、とも思います。不況の影響などいろいろ不確定なものもありますし。

それにしても、ターゲットが見えないまま、両立支援策をおしすすめても、うまくいかないですよね。。

 

他の観点で、こんなメモも。

  • P260, 「3年」について。そうだったのかーが色々。 ← 保育や幼児教育関係者からの声「三歳未満児の保育単価は高いうえ、この時期の子どもの育ちに保育が適切だとは思えない」「この時期は、子どもを預けるのではなく、親が育てられるように、育児休業を三年にしてほしい」

「育児休業を3年にしてほしい」は私も同じようなことを思っていたです。。実際のところ、どうするのがいいのかなぁ。。正解なんてないのかもですが。

 

  • P260, 発言者の真意ではないとしても、育児休業取得を保育予算抑制の方法や、母性への情感をともなう育児責任に結びつけることは問題ではないか。

 

  • P261, 乳幼児期の教育のたいせつさはいうまでもないことだが、これがさきの市民集会で語られたような文脈のなかで過度に強調されれば、「子どもが一歳になるまで」「三歳になるまで」というかたちで設計された育児休業制度は、簡単に、保育予算の抑制論理をともないながらの親、とくに母親のあるべき育児という文脈に入りこんでいく。

 

しかも、そもそも、がありました。

  • P261,そもそも! → 日本の育児休業制度の出発点は、1965年に全電通(現NTT労組)が協約化した「育児休職」に求められる。だが、その制度発想は「子どもが一歳になるまで、三歳になるまで、母親が休まなければ、仕事も育児もできないから」ではなかった。根幹には、この時期おしよせた電話交換手のリストラという事態に対し、「休むことで要員を確保する」という雇用分配の発想があった。加えて、都市部での決定的な保育所不足を背景に、当時、保育所入所の要件だった「三歳」にいたるまでをどうしのぐかにあった。女性が働き続けることを保障するうえでの過渡的な橋渡し、段階的な取り組みとしてうちだされたもの

 

・・へぇ!そうだったんですね!

制度の成り立ちもいまや知る人は少ないのでは??

加えて、いつのまにかいろいろ(三歳児神話とか)混じってしまっているような感じですね。。

 

 

他にも、

  • P277, 共働きの母親と専業主婦の母親。公的支援の不公平性が焦点化されていく。

・・まだまだいろんな観点での問題がある・・

 

第7章の結びのあたりは、こうです。

  • P284, 国や企業のうちだす個々の両立支援が、塊となっていまの社会のなかに落としこまれたとき、それは一人ひとりにどんなかたちになって現れ、この社会をどこへ導こうとしているのか。それはどんな社会なのか。そこでの問いは「両立支援はどこまで進んだか」ではなく、「両立支援はだれのための、なんのためのものなのか」であり、私たちはほんとうに幸せかという問いにある。

 

そして、

  • P285, 自分が培ってきた能力を発揮し、生活とよべるだけの経済的基盤をもち、大切にしたい人との関係をはぐくみ、暮らしの喜びを実感する。それを性別に関係なく、いま働いている人に、また、再就職などをめざす人すべてに保障する。「個人の責任」のみに返すことなく、職場や家庭、地域でその思いを共有する。

 

  • P285, そんな社会を完全に実現した国は世界にはない。それがいくら遠く非現実的な目標であろうと、この世界的な課題に私たちも挑んでいる。そしてもし、世界に先駆けて達成しえたならーー。いま、悩み、苦しんだとしても、それは十分、価値のある挑戦ではないか。 

 

 

そしてそして、<結びにかえて>の最後の文章。。

  • P294, 一九九九年から二〇〇五年。その間の働く母親の姿を追ったこの本が十年後、「昔はたいへんだったんだね」とふりかえられるような時代が来ることを心から願う。

 

今も10年前とあまり変わってないやん、と徒労も感じるけど、それだけではない。なかなか状況が変わるのは難しいけど、少しずつでも前に進んでると信じて、みんな日々を過ごしているんだろうな。。

 

 

これにて、各章のメモは終わりです。お付き合いありがとうございました。

 

あとは、読了直後の感想とかがちょこちょこ。これも記事にするかも?かも?

 

ではでは~