[読書メモ][WLB] 『ふたりの子育てルール』を読んで
こんばんは。
治部れんげさんの『ふたりの子育てルール』を読んだ直後、絶対にブログ書く!とつぶやいて自らを追い込んだものの、毎日、眠さに負けておりました。がしかし、やっぱり書きたいし、なるべく早い方がいい。そうです分かってはいるのです。書きたいと思った時が書きどき。眠さに目をこすりながら頑張ってみんとするであります。
- 作者: 治部れんげ
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読み始めたのは6月の初め。でもしばらく止まっていた。
とても興味深くて、どんどん引き込まれていたにも関わらず、
途中で止まってしまっていた。
なんでだろ?・・・読みながら、なぜかもやもやしてた。
そんなもやもやの源も含めて、考えてみたい。
ようやくようやく、治部れんげさんの「ふたりの子育てルール」を読了!はじめの数章を読んでから、なぜかなかなか読み進める気力が湧かなくて(すごく面白いのに)、ずっと持ち歩いてた。でもいざ続きを読み始めると一気!気になるトピック満載!ぜったいブログ書く。
— azuazu1011さん (@azuazu1011) 8月 2, 2012
これが、読後直後のつぶやき。
今、改めて目次(大項目のみ)を眺めてみると、
- Step 1: 仕事と育児は両立できる!?
- Step 2: ふたりに必要なコミュニケーション
- Step 3: ふたりの家事分担、育児協力
- Step 4: これからのワーク・ライフ・バランス
- Step 5: 父親も育児休業を取ろう
- Step 6: 母親はなぜ仕事を辞めるのか
- Step 7: 家事も育児もする夫を得る!
- Step 8: 妻の家計責任、夫の家庭責任
- Step 9: よりいい職場環境
- Step 10: 子育てはふたりだけのもの?
「面白い&もやもや」を両方とも感じつつ読んでいたのは、Step 3あたりまで。
Step 4からはメモを取りつつ、最後まで読み切っていた。
<Step 3 まで>
まず、なぜもやもやしたか。
なんとなく感じていたのは、『我が家に当てはめるとどうだろうか』と考えた時に感じる、おさまりの悪さ。もちろん、いろんな事例があり、それぞれの家庭の形があるわけだから、ばっちり当てはまらないにしても、どうも、書かれたあるべき姿(両立の事例や分担方法など)が『理想的』すぎて気後れする感じ。いや、『あるべき姿』なんだから、理想的なのは当たり前なんだけど、なんだか違うんです、そうじゃなくて。。(うーむうまく言えなくてすみません)
しかも、我が夫は、非常に協力的というか「公平であろう」とする人である。単身赴任中という状況は大きいけれど、それでも何かと我らなりのルールを調整しつつ、うまく回している方だと思っている。世に言う「非協力的な夫」とのコミュニケーションから始める必要は無くて、書かれている事柄もすんなりと「そうだよね」と受け入れられるものばかり。
それでも、どーももやもやする。
・・・きっと、「羨望」なんだろうなぁ、とも思う。
事例のうまくいっている部分に目が行くし、ひるがえって自分達の足りない部分に焦りも感じたりする。
でもそもそも、そういう比較をすることは意味が無いし、それぞれの『ふたりのルール』を作り上げることが大切。そうやって、ふたりでやってきたハズ。
ただ、客観的な指標をもって、改めて見直すことは重要だな、と思ったのが、Step 3の中のP.49 「家事・育児の分担表」だった。
育休から復帰した時、すでに夫は単身赴任だったから、分担も何も、「平日は全部、母ちゃんが担当」の前提で家事・育児をするしかなくて、でも、そもそもの総量を把握しておくことは必要だよね、本来の進め方として。
不要な作業も入れてしまってるかもしれないし。外注などで省力化可能な項目もあるかもしれない。改めて、我が家バージョンの表を作って、整理はしてみたいなぁ。
もしも父ちゃんが単身赴任じゃなかったら。
家事・育児を分担するつもりでいて、結局、「父ちゃんは帰りが遅いし」「残業で疲れてるし」等の理由で、「私は短時間勤務でまだ楽なハズ」と考えて、ほぼ全部を自分でやろうとする気がする。(できるかどうかは別問題ですが。(^-^;))
私は背負い込むタイプだと思うから。そして自分で背負っておきながら疲れるタイプ。母親が家事も完璧にするべきと(無意識にしろ)思っているタイプ。でも、それこそが、女性自身が自分で自分を縛っていて良くない部分だ、と感じる今日この頃だから、こういう「冷静に分量を把握し、適切に分担する」作業が必要だと感じる。
<Step 4 以降>
今回、この本を読んで私が最も印象的だと感じたのは、「男性の直面する困難さ」だった。
最初にメモったのがこちら。
- P.66, 妻にフェアでありたい男性が困っている
そうだ!実は「フェアでありたい」男性こそが、大変なんだ。。!
- P.67, 母親同士なら似たようなジレンマを味わう人が多いため、まだあきらめがつきやすいかもしれません。
翻って男性の場合はどうか。
子どもや家庭を理由に仕事を断るのは、女性以上に勇気がいるのではないでしょうか。
- P.68, 夫婦でよく話をして、お互いが望むような仕事と家庭生活のバランスをめざそうとするとき、
男性が直面する課題は女性が経験しているもの以上に困難なものが多いのです。
- P.91, 女性の場合、働きながら育児をする人に一定の配慮がされる文化もだんだんとできてきました。(中略)一方で男性は、男性であるというだけで、家族形態を問わずにすべての時間とエネルギーを仕事に振り向けたがっている、と決めつけられることが多いのです。
やはり、まだまだ男性の方が、周囲の理解を得られにくい現状。
ビジネス慣習や上司同僚からのプレッシャーだけでなく、身体的にも(妊娠出産に伴う)変化は無いし、とは言え生物学的なところはどうしようもないので仕方ない。
だからこそ、意識して、「男性も当然なんだ」という方へ持っていかないといけないんだろうなぁ。
治部さんご夫婦の事例でも具体的に、想いが綴られています。
- P.90, 結婚するのかしないのか、子どもをもつかどうか、そして夫婦の役割分担の形はさまざまです。夫としては、自分は結婚して子どもがいて、共働きをしていて、妻は大学の同級生で自分と同等に稼いでいる。そういう関係において家事・育児を対等に分担するのは当然である……という自分の考えを周囲の人にもう少し理解してほしかったようです。
このような想いを、実際に形に行動に現わしているお二人。なかなか出来ることじゃないなぁと思います。。
そして、私自身がいちばん、今回の読書メモで力が入った部分は、次のくだりを読んで考えたことだった。
- P.94, 父親として育児に積極的にかかわる、育児休業を取る。これらは「正しい」選択ですが、同時に少数派としての困難もついてきます。新しい時代を切り開く育休パパたちには、ぜひ、勇気をもってがんばってほしいと思います。
- P.94, これまでは仕事と育児の両立という点では女性ががんばってきたということ。産休や育休という制度的な支援がないなか、仕事か子どもかという選択を迫られて、どちらか片方を取らざるをえない、先輩女性たちがいたこと。そういう人たちの、まさに血と汗と涙のうえに、さまざまな制度ができて、私もその恩恵を受けて今、働きながら子どもをもつことができるようになった、ということ。そして、今は男性ががんばる番であるということです。
→「今は男性ががんばる番である」とあったけど、女性も意識改革ふくめ、
自立(女性自身の)と、サポート(男性への)が必要だなぁと思った。
今、私がワーママとして働けているのは、今までの女性先輩方の苦労があったから。
それに単なる乗っかりだけするのはいけない。
両立する女性が少なかった時代のような苦労をしなくて済む分、今度は次世代につながるように新たな挑戦をしていかなくては。
それが例えば、男性の育休取得への理解を得るべく、女性としても働きかけていく、とかかなぁ。
もちろん、現状の『両立』が楽だとはとても思わない。みんないろいろな苦労をしながら、なんとか両立を続けていると感じる。それは、はるか昔の先輩方から連綿と続いてきた流れでもある。
だから、まずは目の前のことを淡々と頑張る、というのも大切。
女性自身を縛る、ジェンダー規範の問題も大きいようだ、という記述もドキリとする。
- P.126, 「男性は育児のために出世コースを外れるべきではない」 という考えが、男性だけでなく働く女性たち自身の心にも根強くあることがうかがえました。そこには、「父親の育児は妻の補助的なもの」であるという「常識」がかいまみえます。
この記述の直前の、女性へのアンケートが興味深かった。
大半の女性は、子どもとの時間確保のためには昇進や昇給の機会を犠牲にしてもやむをえないと考えている、しかし、「あなたがもし父親だったとしたら」と尋ねると、同じ回答者でも、そうは考えていないことが分かる。
「あなたがもし父親だったとしたら」という問いに変えるだけで、意識が如実に現れてくる。まだまだ、女性自身の心を縛る性的役割分担が大きいんだなぁ。。
少しずつでも、女性自身が手放していかないと、男性だけが変わっても意味が無い。
これは、『家計責任と家庭責任』においても言えること。
- P.144, 家計責任と家庭責任。
夫に家事・育児責任を分担することを要求するには、妻も働いてお金を稼ぎ、家計に貢献することを一種の「義務」ととらえる必要があります。
義務としての仕事においては、たとえやりがいがあまり感じられなくても、上司とうまが合わなくても、家族のために仕事を辞めずに続ける覚悟を決めること。妻が腹をくくったとき、夫にもっと家庭に時間をさいてほしいと要求する強さが
生まれるのではないでしょうか。
うむー、本当に私は腹をくくれているだろうか。。耳が痛いです。
ではどうしたら、男性も女性も、働きながら子育てがしやすくなるのか。何が妨げになっているのか。夫婦の関係性だけでなく、勤務先との関係も考察されている。
- P.154, 大きな課題のひとつは、仕事の成果を働いた時間でみるという評価の尺度です。具体的にいえば「夜、遅くまで職場にいる人ほど評価される」という尺度です。
- P.156, 家族形態や職場への滞在時間を問わず、成果を上げている人が正当に評価される仕組みや文化をつくることが大事だと思います。
これは、のちに出てくる『佐藤さん』の職場の先輩の言葉が、グサリと来ます。
- P.171, 「なんでこんなに長く働くの?能力がないと思われるよ」
本の中で、いくつかあるインタビューはどれも興味深かったけど、
特に佐藤さんのインタビューは、企業として学ぶべきヒントも多くて面白かった。
育休前に出世させる、とか、うまいなぁ~!
また、共働きのご両親(小学校の先生)の影響で家事分担もしていた、それが佐藤さん自身の育休取得や家事育児に、自然体でつながっている様子が伝わってきた。
・・・どんどん読めるのに、とても盛りだくさんで、深い本でした。
ブログを書いてみて、改めて、その深さに気付いた点も。
(というか、まだまだ触れられなかったトピックもいっぱいですが・・)
家族の数だけ、いろいろな形の『ルール』があるだろうし、それも随時ブラッシュアップしていってよりいい形になっていく、それが出来たらいいなぁ。